鳩の餌やりを行ったことはありますか?
公園や神社では、有料ですが鳩の餌が売られています。購入すれば餌やり体験を楽しみことができるでしょう。
しかし、中にはお金を出して餌を買うくらいなら、自宅で用意したものを与えようと考える人もいます。
準備される餌と言えば、やはりパンくずが多いでしょう。ばら撒けば鳩が寄ってきて食べてくれるため、おもしろがって餌やりを行なう人もいると思います。
しかし、鳩にみだりにパンくずを与えることは危険です。
パンくずを用意することによって、どのような害が表れるのか調べてみました。
かわいいからと言って何でも与えるのはNG!
実は鳩にパンを与えるという行為自体に問題点があります。
鳩の糞害を拡大させてしまうこと、そしてパンを摂取しすぎると鳩が病気になる可能性があるためです。
また、パンくずの横取りが発生するため、鳩以外の鳥が餌を狙ってやってくる可能性や、餌を摂取することができない個体もあらわれる可能性があります。
パンを与えることにより発生する鳥害を一つずつ見ていきたいと思います。
鳩の糞害
鳩の糞の中には病原菌が潜んでおり、パンくずを与えることにより大量の鳩を呼び寄せることになります。
すると集まった鳩の数だけ糞が増えます。
大量の糞が放置されると、糞は乾燥し、菌が増殖します。風によって舞い上がった菌を吸い込むことで、人間が病気に感染する危険性をはらんでいるのです。
これをクリプトコッカス症と呼びます。空気を吸い込むことにより、肺に感染します。夏風邪のような症状が出て、発熱や胸痛を伴います。健常者が感染をしても症状は軽いことが多く、中には感染したことに気づかない人もいるでしょう。
ただし、乳幼児や高齢者など抵抗力の弱い人や、HIVといった免疫力が低下している人は重症化し、中枢神経が侵され脳にダメージを与える可能性があります。
パンをまくことが、恐ろしい感染症の助長につながるのです。
鳩自身にもダメージ
鳩にはそのうという袋の器官が備わっています。
これには餌の消化を助ける機能があります。他にも餌のない時期に向けて蓄えを行なったり、ヒナが産まれた際はミルクを作ったりと鳩にとって重要な役割を果しています。
パンといった加工食品を大量に摂取すると、消化しきれずにそのうにそのまま残ります。するとパンは腐ったりカビが生え、そのう炎という病気を引き起こすのです。
横取りが発生するくらいのパンくずをばら撒けば、鳩の過剰摂取が発生する確率は非常に高いでしょう。
美味しそうに食べてくれるからと、人間が口にする食品を餌にしてはいけないのです。
鳩以外の生物を呼び寄せる可能性
例えば、鳩と生活形態が似ているカラスです。
カラスは人間社会で共存して生活をしており、時折人間が口にする食物を餌として摂取しています。
パンくずをばら撒けば、餌を横取りしようと烏などの害鳥を呼び寄せる危険性が出てきます。烏は知能が高く、賢い生き物です。もし公園で餌が手に入ると分かれば、定期的にやって来るようになり住み着くことも考えられます。
定住してしまうと、近隣住人が烏の被害に遭う可能性があります。
鳩自身もパンの横取りが頻繁に起こると、餌を得られない個体が何羽か出てくるでしょう。
他で餌を探せば良いのですが、公園に行けば簡単に餌が手に入ると学習してしまった鳩は、狩猟本能を削いでしまう恐れがあります。
自分の力で餌を得る力を失えば命に関わります。また、本来の生態系を崩すことにもなるのです。
まとめ
鳩が可愛いからと言って安易に餌を与えてしまうと大きな問題に発展してしまいます。
その餌がパンくずとなると、鳩自身にダメージを与える上、生態系を脅かすことに繋がりかねません。
人間と鳩の住んでいる世界は違うと理解した上で、マナーを守り行動していきましょう。
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