公園で見かける鳩の群れ。そしてベンチに座り鳩にパンをちぎって与える人。

漫画や物語のワンシーンとしても使われることがありますし、実際にあげている人を見たこともあるでしょう。
実は、鳩にパンを与えてはいけないという話があることを知っていますか?
鳩がパンを食べると、そのうで炎症が起こり、亡くなる可能性があるからだとされています。
果たしてそれは本当なのでしょうか。調べてみました。

 

鳩 パン そのう

与え過ぎはNG!パンがだめと言われる理由

鳩にパンを与えすぎると問題が起こるとされている、そのう。

そのうとは鳩にとってどのような役割を果している部位なのでしょうか。

そのうは、鳥の翼のつけ根と首の間の辺に隠れるようにして存在する、袋型の器官です。

食道の一部が発達したもので、消化を助ける役割をしています。鳥が餌を食べると、舌の下部にある唾液腺からでるつばと一緒に食道を通り、そのうにたまります。

そのうにはバクテリアがたくさんいて、餌を分解することができるのです。
穀物やきのみなど、固い餌をたべる鳥にとって、餌を柔らかくする働きも担っています。

また、餌が少ない季節にできるだけ餌を溜め込むための器官でもあり、生きていくうえで重要な役目を果していると言えるでしょう。

鳩の場合、餌を食べるとまずそのうに蓄え、砂の入ったさのうへと運んで砂とこすり合わせて消化します。

そのうは鳩がヒナに与える鳩乳が作られる場所です。穀物を食べる分には問題ありませんが、パンやご飯を与えるとそのうで腐ったり、カビが生えることがあります。

消化の悪い餌や間違って飲み込んだゴミは、消化されすにそのうにずっと残る可能性が高いです。パンやご飯についてはそのうの中で発酵しやすく、与えすぎるとそのう炎という病気につながってしまうのです。
また、餌を頻繁に食べてしまうと、餌がちゃんと降りていかずに、そのうの中にたまった餌が腐ったり、餌の水分が下りて残ったカスが固まり、食滞という病を引き起こすこともあります。

鳩にパンくずを投げれば食べてくれますが、加工食品や調理したお菓子などは食べさせないことが無難でしょう。

もし鳩を飼育することがあれば、そのうの仕組みを十分理解した上での対応が必要です。
ペットショップでは様々な穀物を配合した鳩用の餌が売られています。餌を活用し、鳩の健康を守りましょう。

また、鳩はそのうとは別にさのうという袋を持っています。
さのうの砂を補給するために、飼っている鳩には焼き砂を与えると良いとされています。

これは川の砂を一度焼いたもので、消化機能を高める効果があります。野生の鳩は地面をつついて餌を食べる際に、自然とミネラルも吸収していると言うから驚きです。
他にも塩土や牡蠣粉を与えてカルシウムやミネラルの補給を行なうことで、さのうの消化吸収機能を助けるともされています。
ビタミンを補給するために小松菜や白菜、キャベツなどを与える人もいます。鳥用のビタミン剤がペットショップで売っているので、それを使用しても良いでしょう。

 

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このように、鳩を飼育するとなると、そのうやさのうの機能を高めるために様々な餌の工夫がされていることが分かります。
野生の鳩は自身の器官を最大限に活用できるよう、これらの栄養素を摂ることになりますが、そこに人間が餌を与えてしまうと健康を脅かす可能性が出てきてしまいます。

公園などで見かけるドバトは人懐っこく、人が餌を与えても警戒しません。あげれば何でも食べてくれるものだと考えず。

鳩の体を考えて、生態系を壊さないよう気をつけたいところです。

まとめ

鳩のそのうは餌を吸収しやすくするためでなく、ヒナのためのミルクを作ったり、厳しい季節に向けて餌を蓄えたりと多くの役割を担っています。

その大切な器官が、人間が与える加工食品によって脅かされるのです。

食べるのだから何でも与えれば良いというわけでなく、正しい知識を持って鳩とふれあう必要があります。

 

 

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