自分の近くを鳩がバサバサと羽ばたきながら飛んでいけばビックリします。
しかし、それが危険だなんて思いもしません。
実は、鳩が羽ばたいた時には、目に見えなくても沢山の羽毛や乾燥した糞などが舞い上がっているのです。
そして、それらには沢山の病原菌が付着しているというからただ事ではありません。
鳩から感染しうる感染症
クリプトコッカス症
ドバトの糞から発生する恐ろしい感染症です。
カビの一種で空気中に浮遊している乾燥した糞が口の中に入る、鳩の糞に触れた手を口にいれる、といった経口感染により発症します。
健康な大人が感染しても発症する可能性は低いのですが、免疫力が低下している人が感染すると発症するリスクが高くなります。
軽症の場合は皮膚炎程度で済みますが、重症化すると脳が侵され亡くなることもあります。非常に乾燥に強いウイルスで２年以上も菌が生き続けることもあります。
トキソプラズマ症
トキソプラズマという寄生虫によって起こる感染症です。
鳩の糞を介して感染します。健康な大人なら発症することはほぼありません。
しかし、妊娠中の女性が発症すると、胎児に危険が及ぶ場合があります。
妊娠中は鳩や糞に近づかないようにしましょう。
鳥インフルエンザ
鳥類を中心に感染する、Ａ型インフルエンザウイルスによって起こる感染症です。
多くの鳥類は腸内にこのウイルスを保有しています。
通常、鳥インフルエンザが人間に感染することは稀ですが、ウイルスの突然変異などが起これば人間と動物の共通感染症となる可能性が全く無いとは言い切れません。
サルモネラ食中毒
鳩の約２％がサルモネラ菌を保有しています。
菌を持っている鳩の糞を介してサルモネラ食中毒が発生します。
オウム病
名前はオウム病ですが鳩も感染します。
病原菌であるクラミジアを保有している鳩の糞を介して感染します。
感染するとインフルエンザの様な症状が出ます。重症化すると肺炎や気管支炎になることもあります。
オウム病以外にも肺炎を引き起こす鳩による感染症には、ピジョンオーニソーシズやヒトプラズマ症があります。
まとめ
鳩は不衛生な環境に身を置くこともあるため、糞や鳩の体そのものに沢山の病原菌やウイルスが付着しています。
鳩が羽ばたく時にそれらが空気中に舞い上がり、人間が吸うことで様々な感染症を引き起こすのです。
また菌やウイルスに感染せずとも、乾燥した糞や羽毛がアレルギーや喘息の原因となることもあります。
糞は細目に掃除し、体調が良くない時には極力、鳩に近寄らないようにするなどの対策を取りましょう。
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