鳩はどのような巣を作るのか,また,その巣や卵を放棄することはあるのか,あるとすればそれはなぜなのかについて調べてみました。
鳩の巣作りと巣や卵の放棄
一般に,鳩はとても簡易的に巣を作るようです。
拾ってきた小枝はまばらで,厚みもないので,余り丈夫な巣にはなりません。
強い風でも吹けば,たちまち飛ばされてしまいそうです。ヒナを育てる際に終始安全さえ確認できればよしとするようで,巣の再利用もお手のものです。
どうも巣は簡易的なもので良いと感じているような気がします。
巣が危険であると感じれば,すぐに場所を変えてしまうので,かえって簡易的な巣の方が効率がいいのかもしれません。人が巣作りに少しでも手を貸すと,途端に巣作りを中止したり,巣自体を放棄することもあるようです。
キジバトは庭の木に巣を作ることがあります。ドバトは庭の生け垣などには巣は作りません。
また,アオバトは山奥に巣を作ります。一番活発に繁殖するのは8~10月ですが,だいたい通年を通して繁殖し,多いものでは6~8回繁殖を行うものもあります。
通常2個産卵し,卵が産みそろってから抱卵します。抱卵期間は15~16日くらいです。
卵は暖めてやらないと中の胚が亡くなってしまうので親鳥が交替で暖め,卵だけで放置されることは,何らかの事情がない限りありません。
その事情には
「人の手で,巣が別な場所に移動したり,何らかの手が加えられた」
「カラスやネコ,イヌなどによって荒らされた」
「親鳩が外敵から逃れる必要性が生じた」
「抱卵しても親が無精卵だと判断した」
「卵の中の胚が亡くなってしまった」
などがあります。
卵に下からライトを当ててやれば,中の様子が透けて見えますので,中が動いているようならまだ生きているという証拠です。
まとめ
鳩は「鳥獣保護法」で保護・規制されている動物です。
自宅のベランダに鳩が巣を作ったとき,これを撤去するには都道府県による害獣駆除の許可が必要です。
さらに,東京都の条例では,鳩は「害獣」に指定されているので,保護すると罰金を払わされる可能性があるそうです。
このように,放棄された巣を撤去したり,放棄された卵やヒナなどを保護したいと思って行動を起こしても,それが違反行為になる場合があるので,十分注意が必要です。
鳩に関して何か知りたいことがあったあり,卵やヒナをどうしたらよいのか知りたければ,各都道府県にある野鳥センター(名称は都道府県によって異なる)に問い合わせるといいと思います。
鳩のヒナは,親の出すピジョンミルクで育ち,一般的に人間によるヒナの飼育はほぼ不可能であるとされているので,できるだけ親鳥が育児するよう見守りたいものです。
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