繁殖力が高いことで知られる鳩ですが、どのように子育てするのでしょうか。また、巣立ちの時期はいつなのでしょう?
鳩の繁殖力が高い3つの理由と巣立ちの時期
鳩の繁殖力が高い理由は、季節を問わず繁殖できること、一年のうちに何度も発情し卵を産むこと、そして繁殖から次の繁殖行動を開始するまでの期間が短いことなどです。
季節を問わず繁殖できるのかというと、鳩はピジョンミルクという栄養分が高い液体を分泌して、母乳のようにヒナに与えて育てることができるため、餌が豊富な時期を選んで繁殖する必要が無いからです。子どもを作る時期が季節を問わないので、巣立ちの季節も決まっていません。
鳩のヒナが巣立つまでには、卵で生まれてきてから1か月程度かかります。動物の一人立ちに要する時間としては十分早いですが、なんと鳩はヒナを育てている最中に、もう次の繁殖行動に取りかかることもあるのだといいます。
子育ての最中に次の繁殖を平行して行うことを、繁殖の重複といいます。
鳩の親鳥は雌雄共同で卵を抱き、ヒナが孵ってからも数日の間は巣で温めますが、その後は給餌のために日に数度通ってくる時以外には巣に帰ってきません。ヒナを巣に残している間は親鳥たちは自由に行動できるので、その時に他の場所で次の繁殖のための巣を作ったりするのです。
いくら何度も繁殖できる性質を持っているとはいえ、なんともせっかちですね。
しかし、親鳥が巣を留守にしている間に残されたヒナがカラスなどの天敵に捕食されてしまうことも多く、繁殖の失敗の大きな要因になっています。
捕食者に巣が襲われた場合、親鳥にはなすすべがなく、ヒナが巣立つまでは一度作った巣を移動させることができないので、見つかってしまえば終わりです。
鳩は以前、自分や他の鳥が繁殖に使った古巣を再利用することが知られていますが、古巣が残っているということは、捕食者に見つかりにくい場所に作られたことの目安になるので、安全対策として利用しているのかもしれませんね。
まとめ
鳩の繁殖能力の高さや、卵から孵ってから巣立ちまでの期間の短さを知った時は驚きましたが、カラスなど天敵の多さを考えると、沢山産むことで種の存続の確率を上げなければいけないのだと思いました。
それにしても、ヒナを育てながら別の場所に巣を作り始めるとは、繁殖にかける執念がすごいですね。
今のあなたにおすすめの記事