鳩は1年を通して繁殖期のため、メスは年間5~7回産卵をします。メスが1回に産む卵の数は2個であることが多く、オスとメスの双子になることがほとんどのようです。
鳩の産卵に関する生態
卵を温める抱卵はオスとメスが交互に行い、約20日間で孵化します。
卵から孵ったヒナは、そこから25~40日ほどで巣立ちとなるため、鳩が子育てにかける期間は2か月ほどと、とても短いサイクルとなっています。
それだけ短いサイクルでの子育てですが、メスは子育て中に次の産卵をすることも多く、鳩は繁殖力が高いということが通説となっているようです。
高い繁殖力を支える要因
鳩が高い繁殖力を維持していることには、いくつかの要因があるようです。まずはオスも子煩悩であること。
ハトは一生を同じペアで過ごすと言われていますが、メスが卵を産むとオスも交代で抱卵をし、さらにヒナが巣立つと、次の産卵準備に入るメスに代わってヒナの面倒を見ます。
また、鳩は鳥類では珍しく、ヒナにミルクを与えて育てます。ピジョンミルクと呼ばれるもので、のどの辺りから出される母乳のような栄養価の高い液体なのですが、なんとメスだけでなくオスも出すことができるそう。そのため、子育て中に餌を探さなくてはいけない心配がないのです。
さらに、鳩は人間の居住区を生息域としていますが、そこには天敵となるワシやタカ、フクロウなどが生息していないことも、安全に子育てをする秘訣のようです。
増えすぎる鳩には問題も
高い繁殖力によりその数を増やしている鳩ですが、それは人間に対して様々な問題をもたらします。
ハトは縄張り意識も強く、帰巣本能もあるため、一度巣を作ったところに執着する性質をもっています。よくベランダなどに巣を作りますが、追い払おうと思っても何度も帰ってきてしまうことがあるみたいです。
かわいいと思うかもしれませんが、マンションだと下の階にフンが落ちてしまうことも考えられますし、羽毛やダニ、ノミなどでアレルギーを起こしてしまうこともあるので、むやみにエサは与えないでくださいね。
まとめ
鳩は1年を通して繁殖期で、さらに産卵から子育てまでを安定させるための秘訣をたくさん備えているため、高い繁殖力を持っていると言えます。
ただし、それによって数が増えすぎると、住む場所を共有する人間との間で様々な問題が浮上してしまいます。
ベランダなどに鳩を安易に住み着かせない、エサを与えないなど、ある程度は分別をもって接するべきだと言えますね。
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