公園などで鳩に餌をやる人が少なからずいます。
このような行為は,いいことなのか否か。迷惑行為であるなら,どこがどのように迷惑なのか調べてみました。
鳩の食生活の乱れとは
日本の野山で古くから生活している野生の鳩(キジバトなど)や,町中でよく見かける鳩(ドバトなど)も、もともと自然界にある植物の種子や穀物を食物として生きてきました。
しかし、近年多くのドバトは市街地に生息し、人間が与える餌や道に落ちた食べ物のくずなどを食べて生きているようです。
さらに最近では,もともと野生であるはずのキジバトまでが,市街地に現れ,道ばたの食べ物を漁るようになりました。
市街地には,人間が落としたスナック菓子のかけらやパンくずなどが,道ばたなど多くの場所に散乱しています。また,駅や公園でも,ゴミ箱があふれてしまって,その周囲に菓子や菓子袋などが散らばっていることも少なくありません。
それらが,市街地に生息する鳩の重要な食べ物となるのです。人間の食べ物には糖分以外に,塩分や油分が多く含まれていて、本来の鳩の食物としては不適当なものなのです。
しかし、それらを食べている限り、鳩たちは餌探しに労力を使うことなく何とか生きていくことができます。
その代わり、人間の食べこぼしに依存してしまった鳩の中には,肥満してしまったものも多く見かけられるようになりました。
市街地は自然が少ないのにも関わらず,人間のマナーが乱れるほどそれに比例して鳩が増える傾向にあるようです。
鳩対策の基本は,鳩に餌を与えないこと
町中の鳩は人に良く慣れているので、餌を求めて人に寄ってきます。それがかわいいからか、鳩に餌を与えている人をよく見かけます。
また餌を与えているつもりはなくても,軒下やベランダ,公園の椅子などで食べくずを落として,結果的に鳩に餌を提供してしまっていることがあります。
鳩がいるとそこに糞をします。餌をくれる人が来るとそこには鳩が群がり、そこでおびただしい糞をします。
この糞が一番の問題点なのです。
鳩の糞は小さいため,乾燥すると風に乗って舞い上がり、糞に含まれる病原菌が人間の肺などで増殖し、感染症を引き起こす場合があります。
その代表的なものには,重症化すると髄膜炎を引き起こすクリプトコッカス症や,高熱・頭痛・筋肉痛を伴う気管支肺炎になるオウム病などがあります。
また,鳩自体にも病原菌以外に寄生虫,ダニなども多く,子供や免疫力低下している老人や病人は症状が重症化しやすく,特に注意が必要です。
まとめ
鳩は都市部でよく見かけられますが,もともと野生動物です。
自然の中で,自分自身で餌を捕食して生きていかねばならないのに,そこに我々人間が介入して餌を与えてしまうと,生態系のバランスも崩れて人間も含めた自然界に悪影響を与えかねません。
鳩の糞から起こる病気のリスクや近隣住民の方々や公園を楽しむ人たちへの配慮,生態系へのバランスなどを考慮すると,安易に鳩に餌を与えるべきではないと言えるのではないでしょうか。
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